ジャズ版ファンファーレ

ファンファーレというのは,ヨーロッパでお祝いなどの催しの時に演奏された短いけれど華やかな曲,またはそのパッセージのことを指すのだそうです.私もめでたくZ4購入となりました.ここは一つ景気よくということで,ブルーノートレーベル1957年録音のジョン・コルトレーン「ブルー・トレイン」を聴きました.


ブルー・トレイン
ジャズ

このような問答無用の大名盤に,私ごときがどうこういう資格はありません.ただ一点だけに注目したコメントを残しておきたいと思います.

1曲目の表題曲「ブルー・トレイン」の冒頭,コルトレーン,フラ-,モーガンの3管によるテーマ吹奏で演奏は始まります.3管編成のハードパップ,しかもプレーヤーがこの連中ですから,テーマを聴いているだけで自分の身長が2メートルまで伸び,ニューヨークの舗道を肩で風切って歩いている気分になります.

このテーマはまさに「これから俺たちこそがリーダーだ」という意思表明.輝かしい出発のためのファンファーレです.しかし,ここのアンサンブルだけを採っても,私にとっては「これこそがジャズなんだ」という香りに満ちています.それはどういう意味か.

テーマは2回繰り返されます.最初はテナーのコルトレーンとトロンボーンのフラ-の二人だけのユニゾンです.エッ何で? ファンファーレなんだからまずはラッパだろう,なんだよモーガン君,また二日酔いか? そう思っていると,2回目でやっと彼のトランペットが入ってきます.ところが何とこれが驚いたことに,今度は一人でテーマを吹いているトレーンを脇に見ながら,ラッパはフラーのトロンボーンと絡まり合って一番低音のパートを吹いているではありませんか.

一番不可欠かと思える楽器が一回目はスルーして,入ってきたと思ったら下の方でウロウロしてる.高らかには響きません.ヨーロッパ流のファンファーレとは大いに異なりますね.しかし,控えめに低いパートを吹いているトランペットがいることで,何ともざらざらとした実体と手触りのあるアンサンブルになっています.

みずからを鼓舞するための理想の提示とともに,それと不可分な苦い現実認識が聞こえてきます.この時代の若いトッププレーヤーたちによる,きわめてジャズ的なファンファーレです.

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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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