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山田秀三著 北海道の地名

西日本の豪雨災害の復旧は,この猛暑でさらに苛酷な状況になっているようで胸が痛みます.例年より10日以上早かった梅雨入りと梅雨明け,その後の酷暑.今度は北海道にまた強い雨が降っているようです.

私が札幌に住んでいたのは今から40年程前ですが,その頃夏に市内の気温が30℃を超えるとみんな外に出たがりませんでした.今ではそれくらいの気温はごく日常的で,特に内陸部の気温は本土(内地)並ですね.これはやはりヒートアイランドというような局所的な現象としては説明できないような気がします.

「北海道には梅雨がない」というのは昔から誤解されてきたことで,本州に停滞していた梅雨前線が勢いを増した太平洋高気圧に押されるように北上するころ,北海道は雨がちになります.ちょうど本州の大学生が夏休みに入り,喜んですぐに北海道へツーリングに来てひどい目にあうのは昔からです.

しかし今年はそんな定型とは無関係に,北海道ではずっと雨が降っていますね.私も今年は8月に出かけるつもりなので注意して見ているのですが,本当に天気予報晴マークが少ない.荒れた天気にならないことを祈りたいです.

さて本題です.北海道の旅でなんと言っても魅力があることの一つは,そのエキゾチックな響きをもつ地名ー山や川の名前も含めてーです.以前にも少しだけ書いたことがありますが,アイヌ語に由来する地名は多くが地形や自然の標識をそのまま呼称にしたもので,響きこそエキゾチックですが意味はむしろ即物的とさえ言える日常性を保っています.私には,大きな滝を見て「銀河」とか「流星」などど形容する浮薄に比べてはるかに好もしく感じられます.

本書は,上で述べたようなアイヌ語地名の由来について,著者山田秀三によって徹底したフィールド調査が行われた上で著された労作であり,現代における北海道地名研究のバイブルです.もちろん,文献調査も綿密に行われていますが,地元のアイヌ古老への聞き取りなど,今では困難になった貴重なインタビューの結果も多く採り入れられています.

現在草風館 から出版されているのは,1984年に北海道新聞社から出版された旧版の復刻版です.新本で入手できますが結構高価なので,私は旧版を古本で買いました.最初から通読する必要はないかもしれませんが,北海道へ通ってあちこち走り回っている人だと,馴染みのある地名を引いてみて思わぬ発見がきっとあると思いますし,今では失われてしまった風景も目に浮かぶことでしょう.地名を辿りながら,時間軸方向の旅ができますね.

北海道の地名 (アイヌ語地名の研究―山田秀三著作集)

北海道の地名

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