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理髪店で聴いたジャズ -「ジーニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.2」 セロニアス・モンク

セロニアス・モンクの音楽は,やはりリヴァーサイドの名作群の印象が支配的です.私も「ブリリアント・コーナーズ」や「モンクス・ミュージック」,「セロニアス・ヒムセルフ」などを含め多くのリヴァーサイド盤を聴いて,ながいことそれだけでもうお腹いっぱい状態で十分な気がしていました.しかしそれは誤解でした.

今回聴かせてもらったのはブルーノートの1511,「ジーニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.2」です.

 ジーニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.2+10

1951年から1952年にかけての録音で,モンクがリヴァーサイドへ移籍する1955年よりもかなり前のアルバムです.評価の定まる前の作品というような意識がどこかにあって,これまでちゃんと聴いたことがありませんでした.しかしこれはなんと強烈な音楽であることか.

骨太で肉厚,一方で流麗さのかけらもなく,ちょっと聴きには洗練とはほど遠い.早い話がかなりヘンな音楽に聞こえます.実際これを現代に持ってきて音楽でございますと言ったところで,これほどごつごつして歯ごたえのあるものを好む聴衆の集団なんて,今や世界中どこを探してもいないでしょう.

しかし,トリッキーで屈曲したテーマや,めまぐるしく変化するリズムなどは時代的にもビバップ期ジャズの特徴と言えますし,モンクの音楽はあくまでもその土台の上で自分自身の音楽を展開した結果の産物だということが,よく聴けばわかります.それが結果的にかなり当時としては(現代でも)前衛的なものに聞こえたとしても,たとえば絵画で言えばジョルジョ・デ・キリコとか,あるいは一群のキュビスム絵画が今ではこれだけ人々に受容されているのだから,音楽だからダメということなどないと信じます.

ややもすると「孤高の天才」とか「ジャズの高僧」などと言われて求道的なイメージのあるモンクですが,その音楽は何よりネアカで,上で言ったようにはっきりと「ヘン」なのにも関わらず,聴いていると実に気分が浮き立ってきます.暑苦しく響くこともありますが,音楽が終わった後は風呂上がりのような気分.

もちろんVol.1の方もすばらしいです.

 ジーニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.1+3


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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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