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マリオ・ブルネロ チェロリサイタル

久し振りのシンフォニーホール.大きな会場ですが,相変わらず縦横無尽・快刀乱麻のブルネロを堪能できました.

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この人の演奏は2年に一度くらいの来日のたびに聴いていて,もう5度目になると思います.今回はドビュッシーとフランクのチェロソナタがプログラムに上がっていますし,後半のアストル・ピアソラも大注目です.ピアノ伴奏は江口玲.

ドビュッシー:チェロ・ソナタ
フランク:チェロ・ソナタ
ー休憩ー
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV.1007
サン=サーンス:白鳥(「動物の謝肉祭」から)
ヴィラ=ロボス:黒鳥の歌
ピアソラ:アディオス・ノニーノ
ピアソラ:リベルタンゴ
ピアソラ:グランタンゴ

1曲目はドビュッシー作ニ短調のチェロソナタ.3楽章構成で全体でも演奏時間12〜13分の短い曲ですが,荘重な冒頭から聴き手を惹きこんで放しません.第2楽章はチェロのピチカート.第3楽章は舞曲風の構成ですが,ここでも用いられるピチカートがのびやかな旋律と交互に現れて楽しませてくれます.

2曲目はセザール・フランクの大名曲.元はイ長調ヴァイオリンソナタで,私自身は以前チョン・キョンファの演奏を聴いたことがあります.陰影に満ちた全体のイメージは,むしろチェロで弾かれるにふさわしいとさえ思います.とにかく全曲聴き所ー名旋律・名場面に溢れていて,ドラマチックな語り口に身を任せているとあっという間に時間が経ちます.アンバーがかったようなブルネロのチェロの音色がこの曲にぴったりで,最後は劇的な夕景を目撃しているような思いがしました.いや痺れました.

後半は一転してバッハ無伴奏の第1曲.これはちょっと表情がつきすぎたかもしれません.私はバッハは練習曲みたいに弾いてくれるのが好きなので,1拍目を強調した今回のような演奏にはやや抵抗感があります.が,これもこの人らしい演奏といえばそうですし,何よりこういうことが可能なのがバッハなのでしょう.

「白鳥」と「黒鳥」はもちろんセットで構成されているわけです.優雅なサン=サーンスと瀕死の黒鳥.ヴィラ=ロボスはブラジルの作曲家で,これを経由してアルゼンチンのピアソラの曲へいくところがなかなか心憎い.

チェロでピアソラというとやはりヨーヨー・マが思い出されますが,ラテンの血が流れるブルネロもこの作曲家のタンゴを弾くにふさわしいですね.エンターテイナーとしての素質も十分なこの人としては,むしろ抑え気味の表現だったようにも感じましたが,シリアスな前半とのバランスも良く,いつもながら本当に楽しめる演奏会でした.

アンコールは3曲も引いてくれました.チャップリン「タンゴ・ナターシャ」,ツェムリンスキー:チェロとピアノのための3つの小品より「タランテラ」,アーン「バルケッタ」.

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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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