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奈良十津川・玉置神社

去年のちょうど今頃,熊野三山巡りをしました.メモを書いたのは年末になってからでしたが.

熊野三山に参詣する -前半
熊野三山に参詣する -後半

このときは十津川を素通りしたのですが,ここは何も見ないというわけにいかない場所です.今回は玉置神社だけを目的にして行くことにしました.創立は紀元前37年,2000年を超える歴史を持つ古社です.神武天皇東征伝説において,紀伊半島南部から上陸したあとの北上ルートにあるとされ,また修験道において現代まで続く大峯奥駈道の途上にある社でもあります.

晴時々曇りくらいの予報で,確かに十津川温泉あたりまでは青空も見えていましたが,神社への山道を登り始めると少しずつ雲が厚くなりました.出発前に社のHPを見ていると,アクセス路上は落石が多いので,石が落ちていたら無理に突破せず車を下りてどけてから走るようにとあります.安全優先を奨励する記述にすぎないだろうとたかをくくっていたら,本当にいま崩れたばかりといった鋭角な石が路上に散っていて,こりゃほんとにまずいとZ4のルーフを閉めました.幸い道幅はそれほど狭くなく,取り付きから30分ほどで駐車場到着.ここで1000mくらいの標高があり,すでに神域に入った雰囲気が漂っています.

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この駐車場ができたのはそれほど古いことではなく,鳥居はもちろん現代建築です.さっそく整備された参道を辿っていくと,再び神域へ入り込んだ気配が濃厚になってきます.杉の大木が参道のすぐ脇に鬱蒼と林立し,折からの曇天とあいまってこちらの口数を少なくさせます.

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幹が苔に覆われた古木にこの森の長い歴史を感じながら進むと,露出した巨岩が目に入ってきます.昨年の熊野三山ツアーでも実感したように,古代の火山活動の痕跡が至る所に残り,それが人々の土俗的な信仰の対象として受け継がれているのがこの地域を強く特徴づけています.

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本殿周辺には更に強烈な姿をした杉の大樹群が見られます.縄文の火焔土器のように,見る者の精神の奥底を刺激するものがあります.参道は本殿の裏からアクセスし,最後に正面に回り込みます.誰もがこの歴史ある古社に参拝できるようにするためとは言えかなり変則的で,主参道の付け方としてはどうだったのか,考えさせられますね.

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ここからさらに険しくなる山道を10分程登ると,杉木立の間に今回もっとも見てみたかった玉石社が見えてきます.現在は白木の柵で囲われていますが,元来社殿はもたず,御神体とされる玉石のみが大木の間に配されています.蒼古として修験道の聖地たる風格を感じさせる場所でした.

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駐車場まで戻り,Z4を出して帰路につきましたが,途中登ってきた道とは逆に瀞峡方面へ少しだけ下ってみました.地図では玉置神社第一鳥居がこちらにあると示されていたからです.ここからだとちゃんと本殿正面を向いて参道が付いていることになります.もし次に来ることがあるとしたら,ここから登ってみたい気がしました.

また,こちら側ではこの山から伐りだされた杉の貯木場を見ました.間伐や森林整備の名目で伐れば林野庁の補助金がつくそうですが,何しろ2000年の神域ですので,伐採した後何か植えたとしても,景観が戻るには途轍もない時間がかかります.十津川村としては,観光資源としての価値保全との間でバランスを考える必要がありそうですね.


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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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