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映画 『ゴッホ 最期の手紙』

ゴッホ最期の手紙の受取り手を探して旅をする若者の物語.大阪ステーションシティシネマ.

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ゴッホの死因は,拳銃で自分の腹を撃ったことによる自殺とされています.しかし目撃者はおらず,使用した拳銃も当時は見つかっていなかったことから,その死にはこれまで他殺説も含めていくつかの異論が唱えられてきました.この映画はその謎を下敷きに,ゴッホ自身が描いたアルルの郵便配達人ジョゼフ・ルーランの迷える息子アルマンが,弟テオ宛てに書いて出せなかったゴッホの手紙を託されて,受け取るにふさわしい相手を探して旅をするという筋立てです.

この作品の特徴は,何と言ってもその映像化手法です.役者が演じるシーンを実写し,それをベースに,ゴッホ風に描ける訓練をうけた画家125人が6000枚を超えるシーンを1枚1枚描いています.動くゴッホ世界が目の前に展開し,最初はその独特な映像に圧迫感を覚えましたが,次第に慣れてきて世界がそうしたものに見えてきます.

主人公の旅は,アルルからパリ,そしてゴッホが死去した地オーヴェルへと続きます.郵便配達人ジョゼフ・ルーランの肖像から始まり,『星月夜』,『夜のカフェテラス』,『アルルの跳ね橋』,『オーヴェルの教会』,『夜の白い家』,そして『カラスのいる麦畑』といった名作群が,アニメーションの中に登場するのはじつに嬉しい.重要な登場人物であるオーヴェルのガシェ医師一家や,宿屋のアドリーヌ・ラヴー,パリの画材屋タンギーなど,いずれもゴッホによる肖像作品をもとにイメージされています.

主題はゴッホ最期の日々の謎解きで,その意味では映画の広告の言うように「アート・サスペンス」なのかもしれません.しかし,生きる目的を明確に持てなかった若者が.ゴッホのひたむきな生涯と向き合うことで変わっていく過程を描くという点では,むしろ古典的なロード・ムービーの性格の方が優っているように感じました.


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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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