ハナヤ勘兵衛写真展+小磯良平記念室,金山平三記念室

大阪生まれで芦屋を中心に活動した写真家の作品展.兵庫県立美術館の小企画「県美プレミアム展」として開催されています.この期間だけ開室される二つの記念室とともに.

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いかにも関西という芸名(?)を持つ写真家・ハナヤ勘兵衛1903年1月12日 - 1991年5月15日).本名は桑田和雄.まさに日本の芸術写真の新興期に活動したと言えるのではないでしょうか.土門拳より6歳年長ですが,ほぼ同世代.知名度はまったく比べものになりません.私自身は,この名前の字面はどこかで見た気がする・・・程度です.

順に見ていくと・・・表現のスタイルは多様ですが,多重露光や長時間露光の作品が目立ちます.この時代には写真表現の可能性を追求するためにこうした手法を多用したのだろうと思いますが,現代の目で見るとややあざとさを感じてしまいます.関西っぽいとは言えるjかもしれません.

一方で,市井の人々の表情にケレン味のない表現で迫った作品や,神戸周辺の街や港の風景の記録は,抑制的だからこそ当時の風俗をよく伝えていて好ましいと思えました.

兵庫県立美術館では,県美プレミアム展期間中だけ小磯良平記念室と金山平三記念館が開室されます.今回初めて入ることができました.

小磯良平の作品が年代順に並べられ,その中には有名な『斉唱』や『T嬢の像』もありました.『T嬢の像』の隣には『スペインの女性』.どちらも小磯20代の作品です.こうしてみると,これまで一見端正に見えていた『T嬢』も,その姿勢や表情に意外に奔放なものを感じ,必然的に和装の下の身体を意識することになります.『スペインの女性』の方はそれがもっとあからさまです.若者の視線を感じますね.同じ女性を描いても,38歳の時の『斉唱』にはずっと厳しさが-もちろん時代の空気も同時に-感じられます.

金山平三も神戸生まれですが,雪の描写が多く,かつ上手いのは不思議ですね.印象派的な明るい色使いで,セザンヌの影響が強い気がするのだけど,得意な画題が冬景色というところに独自性を感じます.一瞬ヴラマンクを思いましたが,もちろん金山はずっと穏やかです.

神戸ゆかりの芸術家の作品に触れた一日でした.

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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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