FC2ブログ

「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」展

イタリア・アカデミア美術館所蔵作品展.国立国際美術館.クリスマスイブに『JACO』はあまり似つかわしくなかったかもしれませんが,こちらの古典絵画展はキリスト教絵画が多数展示され,別に意図したわけではありませんでしたが見に行った12月25日にはふさわしかったかもしれません.

20161229.jpg


とはいえ,今回採り上げられているのは15世紀ごろのイタリア絵画で,ボッティチェリやレオナルド,ミケランジェロ,ラファエロくらいは私の頭にもすぐに浮かびますが,彼ら以外となるとほぼ無知と言えます.その意味では,先入観なく観ることはできました.構成は次のようでした.

Ⅰ.ルネサンスの黎明-15世紀の画家たち
Ⅱ.黄金時代の幕開け-ティツィアーノとその周辺
Ⅲ.三人の巨匠たち-ティントレット,ヴェネローゼ,バッサーノ
Ⅳ.ヴェネツィアの肖像画
Ⅴ.ルネサンスの終焉-巨匠たちの後継者

Ⅰ~Ⅲでの画題としては新約聖書の世界から受胎告知,聖母子,ヨハネやヒエロニムスといった聖人が多く,また旧約でもノアの箱舟やカインとアベルなどよく知られたテーマのものがありました.

印象に残った作品をいくつか挙げると,まずヴィットーレ・カルパッチョの『聖母マリアのエリザベト訪問』.本来はそれぞれキリストとヨハネを身ごもっている二人の女性像が象徴するものを観るべきなのでしょうが,私は背景に様々な人種の人々が描かれているのをみて,現在で言うパレスチナ周辺地域の当時の様子が伝わってくる方が興味深かったです.

アンドレア・プレヴィターリの『キリストの降誕』.通常このテーマでは天使ガブリエルとマリア,ヨゼフだけに焦点が当てられることが多いですが,この作品では彼らは右下隅に比較的小さく描かれ,画面の広いスペースを占めるのは彼らが暮らす家やその周囲の農村風景です.質素な生活の中の素朴な信仰が垣間見えるようで好感が持てました.

ボニファーチョ・ヴェネローゼの『父なる神のサン・マルコ広場への顕現』.サン・マルコは福音書記者の一人である聖マルコのことです.7世紀にその遺骸が(あるんですね)エジプトからヴェネツィアへ移されたことで,ヴェネツィアの守護聖人となったとのこと.受胎告知の祭日である3月25日は,ヴェネツィアの建国記念日でもあるらしい.この作品は,作品自体にはどうという感想を持たなかったけれど,関連でそうした豆知識みたいなことは習得しました.

パリス・ボルドーネの『眠るヴィーナスとキューピッド』.こうしたテーマは当時,宗教画というより,結婚や出産祈願のために夫婦の寝室に飾られるために注文で描かれることも多かったようです.

Ⅳの肖像画パートでは,多くが高級官僚の正装図でしたが,中にはカリアーニの『男の肖像』のように,視線をはずして自由なポーズをとっているものもありました.

Ⅰ~Ⅲのパートで受胎告知や嬰児虐殺などキリスト生誕にかかわるテーマが目立ったのに対して,最後のⅤ.後期ルネサンスパートでは,磔刑にまつわる死と復活の画題が多かったようです.時代がそれを求めたのか,たまたま今回の展示でそうなったのかはわかりません.

私にとっては,楽しめるというまでの展覧会ではなかったですが,キリスト教聖書に表される物語を復習することはできたようです.

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

choby

Author:choby
最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

カレンダー
09 | 2018/10 | 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
リンク
FC2カウンター