義父のこと

久しぶりにここに書くことがもっと良いことならいいのですが,先月末に亡くなった義父のことを書いておこうと思います.半年近い入院生活の後に力尽きました.享年86.

ちょっとした転倒事故がもとで入院することになったのが7月.その時の検査で肺炎にかかっていることが判明.食物を嚥下する力が衰えていて,誤嚥性の肺炎のようでした.食物の経口摂取を止め,点滴のみで治療を続けざるをえず,肺炎の症状が治まったときにはもう固形物を噛んで飲み込むことができなくなっていました.

本人は延命措置は一切しないでくれということだったので,胃瘻のような人工的な栄養・水分補給は行いませんでした.高濃度の点滴だけで数ヶ月生きましたが,最後は水分の排出ができなくなり,点滴の濃度を下げざるをえなくなりました.亡くなったのはそれから間もなくのことです.

何か特に致命的で重篤な病気があったわけではなく,周囲の理解としてはほぼ「老衰」です.しかし,治療と延命措置の明確な境界はなく,周囲としては重い決断を担当医師に伝えなければならない場面もありました.

大変な趣味人で,特に菊作りと表装は玄人はだしでした.2年前の義母の死去以降一人暮らしをしていましたが,入院後は庭に義父の手がけた数多くの鉢植えが面倒を見る者なく残されました.見かねた近所の人々が水遣りをしてくれていましたが,迷惑をかけられないということで長男がすべて処分しました.

親分肌で,人が集まると何となくリーダーにされてしまうタイプです.亡くなる直前まで地域の老人会の会長もやらされていて,そのために80歳近くなってPCを購入し,独力で文書作成(もちろん図表入り)などマスターしました.私達のところにも結構凝ったレイアウトの文書が送られてきて,何度も驚かされました.関心をもったものは何とかして自分のものにするという態度は,長年の趣味生活で培われたものでしょう.

酒も強く,30年ほど前に私が今の妻を「嫁にくれ」と言うために初めて自宅に行ったときは,まず風呂に入れられ,それから出された料理を食べながら夜中までに二人で一升瓶を2本空けました.私自身はそれほど飲める方ではありませんが,さすがにこの時ばかりは頑張るしかなかったですね.実に古典的な風景ではあります.

考えてみれば,このブログには亡くなった人のことばかり書いている気がします.残念なことではあるけれど,その人生に対して敬意を表すべき人々が身近にいたということでもあるだろうと思って自らを慰めることにします.


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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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