「ダリ版画展」と「アートと考古学展」@京都文化博物館

ダリの版画展が開かれている京都文化博物館までは,京都市美術館から2kmほど.季節のいい時ならまったく躊躇なく歩いていく距離ですが,残暑の京都ではちょっとつらい.大鳥居の下でタクシーを拾って楽をしました.

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展示の最初はダンテ『神曲』の挿絵集.高校時代にハードバックの立派な平川祐弘訳『神曲』を買って読み始めたものの,早々にギブアップした経歴があります.したがって挿絵のシーンも,一部は何となく知っている程度のことで,「絵柄」を見ていくしかないところが残念です.

死後の世界の話で,各場面ともダリにかかると陰惨と滑稽がないまぜになった表現が多く,また油彩画でしばしば登場するダリ的モチーフも所々で現われます.ダリ絵画の特徴であるくっきりと明確なコントラストはここにはなく,水彩原画の柔らかさが印象に残ります.

マゾッホの『毛皮を着たヴィーナス』16点はどれもエロチックでとてもいい.ダリ作品には宗教的テーマが多いのだけれど,個人的にはやはりこういうテーマがしっくりとはまる気がします.『イスラエルの12部族』は予想に反して静かな表現.同じテーマはシャガールのリトグラフにもありますが,原色がちりばめられたシャガールに対して,ダリの淡さが印象的でした.

最後に,どことなくいい加減な『日本民話』を見て会場を出ました.京都市美術館のダリ展と併せて300点以上の作品に触れたことになり,さすがに疲れました.今回は開催期間ぎりぎりになってしまったので1日に2カ所をハシゴしましたが,やはり基本的にこんなことはすべきでないですね.たくさん見たのに,どうも全体の印象が薄くなってしまった感じ.

それなのに,ダリ版画展の会場を出たところで,下の展示会に吸い込まれるように入ってしまいました.遺跡から発掘される器の断片など古物の修復に,芸術の観点を導入しようといった試みがあったり,整理を待つ発掘物の山を見たり.主宰者には申し訳なかったですが,こちらの眼の処理能力がもう限界に達していました.全体をさっと見て,そのまま帰宅しました.

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