ヒラリー・ハーンのチャイコフスキー

兵庫県立芸術文化センター大ホールで下記演奏会に行ってきました.

ヒラリー・ハーンのチャイコフスキー
演奏会パンフレット

前半1曲目はサロネンの管弦楽曲「へリックス」.打楽器が活躍します.ショスタコーヴィチの影響を受けているのかなと思いました.そしていよいよ2曲目,ヒラリー・ハーンをソリストに迎えてのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲です.

ヒラリー・ハーンを聴くのは3回目です.本当は呼び捨てにできないくらいのファンなのですが,ここでは節度を守ることにします.1回目は2年前,この時はシベリウスのヴァイオリン協奏曲を弾きました.2回目は昨年.この時はピアノのヴァレンティーナ・リシッツァとのデュオでイザイやアイヴズなどのソナタを演奏しました.そして今回.チャイコフスキーという「濃い」テーマです.

第1楽章はかなりゆっくりとしたテンポです.ちょっと間が持たないような箇所もあったような・・・.本日が今年の日本公演の初日なので,オケとのバランスがまだ修正できていないように思いました.特に第2楽章冒頭などは,ハーンのヴァイオリンを伴奏するホルンの音が大きすぎて繊細さを欠きました.第3楽章はたいていの奏者がこれでもかといった猛スピードで弾くことが多いことを思うと,それほど速くはなかった印象があります.

全体としてこの曲の演奏としては非常に品のいいもので,ロシア的な濃厚さはありません.チャイコフスキーだからこう弾く,といった姿勢は,自然児ハーンから最も遠いものでしょう.そういう観点から言うと,これはチャイコフスキーではないとか,これはベートーヴェンではない,といった批判を受けやすい奏者かもしれません.

そしてアンコール.バッハを弾いてくれ,と念じていましたが,ちゃんとその通りになりました.
この人は多くの場合,アンコールにバッハの無伴奏バイオリン曲を弾くそうです.今年の曲は無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータから,第3番のブーレでした.

はっきり言うと,私は今日の演奏会は,この数分間のバッハだけを目的に行きました.チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は,普段からあまり積極的に聴こうと思わない曲です.自分が関心の持てない曲を,この人がどう弾いてくれるのか,多少期待はありましたけれど.でも,この人のバッハが聴けるかもしれないことへの期待に較べたら,それは小さいものでした.

2年前のシベリウスの時もアンコールでバッハを演奏してくれました.シベリウスの協奏曲は大好きですし,演奏も特に第1楽章は名演でした.しかし,アンコールで弾いたバッハのアンダンテ,私にとってはシベリウスよりもさらに貴重な体験で忘れることができません.ヒラリー・ハーンのバッハは本当にすばらしいですよ.残念なことに,それがどうすばらしいか,私はまだ説明するコトバを持ち合わせません.時間をかけて考えてみようと思います.(後半へつづく)

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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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