大原治雄 写真展 〜ブラジルの光,家族の風景〜

この一月ほどは,なかなか思うようににコトが運ばず,時間的精神的に余裕がありませんでしたが,先週末にやっと一息つくことができました.梅雨に入っていることもあり,Z4も5月の但馬海岸以来2度乗った(それぞれ数十km走った)だけ.ひたすら勤めを果たすのに専念しておりました.久しぶりに実質的な休みとなった土曜日,見たかった写真展へ.伊丹市立美術館.

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大原治雄(1909−1999)は17歳の時に両親とブラジルに渡った移民です.28歳頃に小型カメラを手にしたことから写真に傾倒するようになります.アマチュア写真家として家族と農場をとりまく風景を撮影し続け,自身で経営していた農場が飛行場建設のために立ち退きを余儀なくされるなどの困難を乗り越えつつ,ブラジルではよく知られた写真家となったとのことです.

作品は農園での自画像や家族写真,あるいは農作物や農器具といった,ごく身近なものがほとんどです.初期作品はほんとうに素朴なスナップ写真に近いものもあって親近感を覚えますが,やがて光の表現を意識するようになり,豊かな詩情を伴った芸術性が増していきます.やや抽象度の高い作風に接近した作品もありますが,特に時代ごとに分けられるという風ではないようです.

おそらくは過酷な労働をともなう生活であったはずで,また天候に左右される農業特有の苦労も日常的だったでしょう.たとえば霜害を受けた直後のコーヒー農園の様子を撮影した作品や,手塩にかけた農場を立ち退く直前の家族写真などもありました.

しかしそうした作品を見ても,苦しさや哀しみが直接表現されたものはなく,少し退いた視点で自らの置かれた状況を客観視するようなところがあります.陽性で知的な人ですね.このような人だからkそ,こんなに暖かく受容的態度に満ちた作品を残すことができたのだろうと思います.

なお,最後の小部屋で上映されていた大原をめぐる3本の動画作品も,短いながら大原本人の肉声が聞けたり,ブラジル人作家からのリスペクトが示されていたりして印象に残りました.

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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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