富岡鉄斎 -近代への架け橋-展

江戸末期から明治・大正にかけて活動した文人画家の生誕180周年記念展.兵庫県立美術館.

20160506.jpg


だいぶ前になりますが,宝塚市にある清荒神清澄寺にある鉄斎美術館へ行ったことがあります.しかしこの時に何を見たかという記憶がほとんど残っていません.やはり文人画などというのは苦手です.今回県立美術館で記念展が開かれるので,リベンジのつもりで行ってみました.

「絵画は人々を導くものでなければならない」とか「まず賛から読んでほしい」という言葉からもわかるように,鉄斎の絵画は第一に自分の経験や古今の書物から得た知識を伝達するための手段であって,純粋芸術とは一線を画すものです.鉄斎自身,「自分は画家ではなく学者である」と言っています.

しかし,その作品群は生気に満ち,老いてなお小児のごとき好奇心に溢れて,探究心に制約をもたらす何物もなかったかのようです.会場にいたある夫婦らしい二人連れの男性の方が,「この人ホンマにものごっついエネルギーやで」と感想を漏らしているのが聞こえました.関西弁でそう表現するのが実にピッタリ.

死の3日前に上掲の清澄寺法主に宛てた書簡も墨痕黒々として,これが本当にもうすぐ亡くなる人の書いたものかと驚くばかりです.立花隆が確か,自分が死ぬ瞬間を体験できるのをわくわくして待っている,という意味のことを言っていましたが,優れた知的態度とはまさにそうした自由闊達なものなのかもしれません.

鉄斎でげんき。
鉄斎でしあわせ。

という展覧会のコピーはなかなか秀逸です.どの作品が好きかと問われても,正直まだ今の私は即答しかねるのですが,何年かしたらまた見てみたくなるんじゃないかな.その時は,今回見て感じたことを多少は憶えていると思います.

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

choby

Author:choby
最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
リンク
FC2カウンター