ロベルタ・マメリ リサイタル

バロック・ソプラノ歌手ロベルタ・マメリのリサイタル.フェニックスホール.

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マメリといえば昨年,チケットを持っていたのに台風の直撃で観に行けなかったモンテヴェルディのオペラ『ポッペアの戴冠』で主役を演じた歌手ですね.もう何度も来日してリサイタルを開いており,古楽はやり尽くしたので今回は比較的新しい歌曲をということで「ソング・コレクション」となったようです.ギターだけを伴奏に,曲目は以下でした.

【前半】
M. ジュリアーニ[1781-1829]:歌曲集「6つの歌」 Op.89より
  別れ Op.89-3
  別れ Op.89-1
F. ソル[1778-1839]:歌曲集「12のセギディーリャス」より
  私を傷つけるのをやめて
  恋の牢獄から
  娘と恥じらい
  女とギターの弦は
  哀しみの涙よ
M. ジュリアーニ:アレグレット(ギター・ソロ)
カタルーニャ民謡:鳥の歌(ギター・ソロ)
E. グラナドス[1867-1916]:「昔風のスペインの歌曲集」より 
  哀しみのマハ
   Ⅰ. ああ,残酷な死!
   Ⅱ. 私のすばらしい人
   Ⅲ. 愛しい人よ
武満徹[1930-1996]
  雪
  翼
  ○と△の歌
【後半】
H. ヴィラ=ロボス[1887-1959]
  ブラジル風バッハ第5番より アリア
  「アマゾンの森」より
   メロディア・センティメンタル
   帆船
F. プーランク[1899-1963]:サラバンド(ギター・ソロ)
F. モンボウ[1893-1987]:歌曲集「夢のたたかい」より
   きみの上には花ばかり
A. ピアソラ[1921-1992]
   アヴェ・マリア
   オブリヴィオン~忘却
   もしもう一度


【アンコール曲】
E. グラナドス:タララ
T. メールラ:愚かな恋人





最初のジュリアーニの2曲はそれぞれ,シラーとゲーテの詩に曲を付けたものです.死と告別の歌からスタートするとはちょっと意外でした.フェニックスホールは1階席の勾配がなく,いつも後ろの席で息苦しい思いをするので,今回は2階席の最前列をゲット.おかげで歌い手の息づかいまでよく聴き取れました.

次のソルももちろん初めて聴きます.日本語訳された歌詞を読むと軽みのある曲も含まれているように思えるのですが,基本的にはマイナー調の今日が多く,陰りを感じさせるものです.グラナドスになると時代がずっと進みますが,シリアスな内容の歌唱が続きます.現役のオペラ歌手であるマメリの表現は抑揚に富み,ソプラノでありながらも低音での説得力を感じます.

前半最後は武満徹の3曲.「雪」はフランス語で唱われましたが,後の2曲は日本語のまま.さすがに音で生きている人,日本語の発音も確かです.それよりなにより,武満作曲の歌がやたら楽しく美しく唱われるのにすっかり乗せられてしまいました.いずれも映画や演劇の挿入歌として書かれたものですが,それらを知らなくてもまったく大丈夫です.

後半はヴィラ=ロボス(ブラジル),モンボウ(スペイン),ピアソラ(アルゼンチン)と20世紀のラテンの歌曲が続きます.「ラテン音楽」ときくと,誰しも楽天的(脳天気)なイメージを持っていると思いますが,この日聴いた音楽はいずれも陰りを帯びた哀しみの曲が多かった.ただそこに,どこか日向の匂いが感じられるところが他にない魅力で,マメリという歌手の個性にはぴったりだった気がします.アンコールは,特に最後のメールラの曲に,短いけれど胸を衝かれる瞬間がありました.この曲は彼女のCDに収録されています.買ってみようかな.



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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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