チューリヒ美術館展

チューリッヒ美術館の収蔵作品のうち,印象派からシュルレアリズムの時代の絵画・彫刻を集めた美術展.神戸市立博物館.

20150408_2.jpg20150408_1.jpg


スイスの美術館だけあって,ホドラーの作品は比較的多く持ち込まれていました.『真実,第二ヴァージョン』と『遠方からの歌』で同じポーズをとる女性.先日兵庫県立美術館で開催中のホドラー展を観たことを書きましたが,同じものを観た友人と「やっぱり幸せな気分にはならないよね」というところで一致.どこか痛々しいのです.

ちょっとさかのぼって印象派.今回の展示会の目玉作品の一つでもあるモネの大作『睡蓮の池,夕暮れ』.晩年に近い作品で,視力の衰えたモネの目に映ったのはこのように朦朧として境界があいまいになった世界だったのでしょうか.それに較べると,壮年期の『ノルマンディーの藁葺きの家』や『陽のあたる積み藁』はまさに光の芸術.

ポスト印象派に位置づけられたゴッホの『サント=マリーの白い小屋』の空はどこまでも深く,偏光フィルターを通して見たようです.同じ場所には他にセザンヌとゴーギャン,ルソー.

ムンクは独立して配置されていました.『叫び』を描いて以降精神の安定を失い,精神病院に入院しますが,今回は健康を取り戻して退院した後の作品もありました.『造船所』や『ヴィルヘルム・ヴァルトマン博士の肖像』は対象そのものに安定感が感じられます.

フォービスムとキュビスムではマティス,ヴラマンク,ブラック,ピカソの計7点.ちょっと掘り下げるのは難しいところでした.シャガールの油彩画が6点あったのはうれしいところでした.

ジャコメッティは独立したブース.この人のざらざらとして細く引き延ばされた人体彫刻は,手塚治虫の『火の鳥・復活編』に現われるイメージを想起させます.手塚はきっとこれらの造形を意識したと思います.

パウル・クレーの作品の多彩さには感銘を受けました.シュルレアリズムではキリコ,エルンスト,ミロ,ダリ,タンギー.マグリットの『9月16日』にひんやりさせられて我に返った次第.

全体として総花的でまとまった印象は受けにくいですが,それぞれ過去に見たもので内容を補完しながら鑑賞すると楽しめると思います.



コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

choby

Author:choby
最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
リンク
FC2カウンター