石川 直樹 写真展 『国東半島』

冒険家としての実績も豊富な写真家・石川直樹の写真展.大阪ニコンサロン.

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石川はまだ30代ですが,美術の博士号を持っており,著作もすでに多数ある異色の写真家です.民俗学に関心を持ち,世界の神事を追いかけながら旅をしてきたこの人が,今度は大陸と日本の結節点としての国東半島に焦点を当てています.

以前「写真家たちの日本紀行」というTV番組で,「写真には偶然が写り込まないと意味がない.自分の主観で撮りたいものを撮るという流儀では見えないものがある」というようなことを語っていたことを覚えています.確かにこの人の写真はプロの写真家が念入りに準備して撮ったという感じは希薄で,むしろ素人のスナップ写真に近い視点のものが多いように思います.

今回の写真展『国東半島』では,修正鬼会(しゅじょうおにえ)と呼ばれる奇祭を撮った作品が印象的でした.僧侶が鬼の面をかぶって寺の講堂で暴れますが,その鬼は忌み嫌われる者ではなく,逆に五穀豊穣や無病息災を願って歓迎されるのだと.ここでは対象に接近して古い時代からの人の営みを捉えています.

一方で,この地域の海との関わりをより明確にしようとする試みを行っています.半島の風景の多くはヘリからの空撮で俯瞰されていて,この人の視点が多様であることを伺わせます.ややもすると雑多な印象となりかねませんが,そもそも民俗学では膨大な資料を丹念に収集するところから研究が始まるという点では,その手法を踏襲する意図があるのかもしれません.

国東半島と言えば,私は2012年の九州へのドライブで,3日目に豊後高田の熊野磨崖仏を見に行きました.この写真展を見ながら,あの大陸的とも言えるおおらかな不動明王像を思い出さないわけにはいきませんでした.

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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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