デュフィ展

ラウル・デュフィの作品展.あべのハルカス美術館.

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絵画だけでなく,木版画,テキスタイル・デザイン,陶芸といった多様な装飾芸術を手がけたデュフィ.上のパンフレット左側は『ヴァイオリンのある静物:バッハへのオマージュ』.ヴァイオリンに注目.線描と彩色された部分がずれています.それ以外にもよく見ると同様な描き方.もちろんこれには意図があり,テキスタイル・デザインの追求の中で面白い効果が得られたことの応用です.右側は『馬に乗ったケスラー一家』.油彩ながら軽やかなトーンが印象的.

19世紀末の芸術運動の激動期や20世紀の二度の世界大戦を経験したにもかかわらず,デュフィの作品にはまったくそれらの暗い影がありません.ドイツに占領されたパリから逃れて暮らしたスペインで描かれた作品でさえ,さわやかな明るさに満ちています.画家自身,「自分の芸術が戦争に影響されるべきではない」と発言しています.

代表作の一つとされる「電気の精」は1937年開催のパリ万博「電気館」の壁画です.古代からの科学技術の発展を賞賛する内容であり,求めがあって描いたとはいえ,1937年といえば第2次大戦前夜であって,多くの芸術家が大量殺戮をもたらす科学技術に懐疑の目を向けていた中でこのような作品を残す楽天性には,かえって強固な確信を感じます.

最晩年の一連の「花束」作品など文句なく美しく,手に入れて部屋に架けておきたいような(もちろん手に入りませんが)ものばかりです.対象に深く迫ってその本質をえぐりだすといった趣の作品ではありませんが,身近な友人として長くつきあえそうではあります.

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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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