長谷川等伯展-京都

京都国立博物館で開催されている長谷川等伯展に行ってきました.

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この手の人気展覧会を初日から観に行くような行動は柄ではないのですが,これは開催期間が27日間と短く,行ける時に観ておかないと機会を逃す恐れがありました.

一番の目的は,やはり有名な「松林図屏風」をナマで観ることです.上に示した写真の入口大看板に,その右隻が使われている水墨画ですね.

三十三間堂の前の京都国立博物館に着くと,「30分待ち」の看板が立てられています.ちょっと迷いましたがそのまま当日券を買って入場.普段なら当然前売り券を買って行くところですが,あきらめるしかないほど混んでいることもあるかなと思ってあえて手ぶらで行ったわけです.

博物館の前庭に,100メートルくらいの列ができており,列の後端では係員が日よけの白い傘を渡してくれます.それをさすこと20分.やっと入場できました.中もかなりの人です.しかし,一列に並ばされてピストンフローではなく,自由に行き来はできました.

国宝「松林図屏風」は順路の最も奥に展示されていました.テレビ番組でも何度も採り上げられ,話題になっている六曲一双の屏風がそこにあります.

もともとは襖絵か何かの下絵と考えられているそうです.いつ描かれたかも定かでないし,本絵は見つかっていません.下絵ということは,やはり未完成品ということなのでしょうか.しかし,その「全部描かれていない感じがする」ということが,観る人の印象を大きくふくらませてくれます.

NHKの番組に登場する識者たちも,表現のしかたはそれぞれ異なりますが,「記憶の底にある松あるいは松林を,はっきりと意識するためのきっかけのようなものが描かれている」という発言に代表されるような理解をしているようでした.細部を見れば写実的とはとても言えない表現を通して,結果として写実をはるかに超えて対象の実体に迫ることができたきわめて優れた作品と私も思います.

またこの絵は,屏風にするときに等伯以外の誰かの手によってかなりレイアウトをアレンジされている,という見方があることも知りました.水墨画の幽玄なイメージとは異なり,等伯はかなりの野心家であったようです.周囲にはいろいろな才人たちがいたのかもしれません.

なお,展示室でこの「松林図」の向かいに設置されている「月夜松林図」も興味深いです.左上にある月に照らされた松林.空間の暗さを表現するため,「松林図」よりも背景への描きこみがやや多くなっています.

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