民藝運動の日用雑器

大阪・万博公園内にある日本民芸館で,濱田庄司,河井寛次郎の陶芸と芹沢銈介の染色工芸を見てきました.昨年春に柳宗悦の収集品群を見て以来の民藝運動の作家展です.あ,この夏に棟方志功を見ましたね.ただし棟方ははそういった芸術運動を超えたところにいる気がします.

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さて濱田と河井の作品は,バーナード・リーチの作品などとともにこれまでにも何度か見たことがあります.洗練された芸術性を感じる濱田の作品,それに較べると色遣いも濃厚で より骨太な造形の河井.芹沢銈介の作品ははたぶん初めて見るのだと思います.

民藝運動の作家は,日常的に用いられる雑器に美を見いだすところから出発しました.その作品群は日々の生活に彩りを添え,また何気なく見過ごしてしまう日常にひそむ豊かさを再確認させてくれたのだろうと思います.

しかし今回見たような作品群が日本人の日常の中に本当にとけ込むことのできた時代は,おそらくはすでに過去のものになったのでしょう.われわれの曾祖父が,囲炉裏の煙に燻された太い柱や梁がむき出しになった家屋に暮らしていた頃,濱田庄司の陶器は鑑賞の対象としてだけでなく,本当に暮らしの中にしっくりと馴染んだかもしれません.

しかし少なくとも,プレハブ住宅に暮らしている私にとっては,このような重厚な工芸品はやはり鑑賞の対象となる「芸術品」です. かつての民藝運動の推進者達にとっては,それは必ずしも望んだことではないと思いますが,私たちの日常が変化した今,「日用品」の位置づけも変わらざるをえないのだろうという感慨を持ちました.



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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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