能 道成寺

この前の日曜日,4月4日,久しぶりに能を観ました.売り出し中の女性能楽師,立花香寿子さんがシテをつとめる大曲「道成寺」です.

道成寺
パンフレット

というと,私がこの古典芸術のことに詳しいのかと思われるかもしれませんが,まったくそんなことはありません.確かに比較的若い頃から何度か能を観てきていますが,面白いと思ったことが実は一度もありません.

この「道成寺」は若い能楽師の卒業試験のようなものらしく,お師匠さんのお許しを得ないと演じることができないそうです.一方で,一曲を演じるのに一時間半が必要という大曲で,若いときしかできないという側面もあるようです.

最初に,林望さんの解説があります.メモを見ながら,丁寧な説明でした.この人は声がなかなかいいですね.これから演じられる曲についてどんどん期待が膨らみます.なんと妖しくて面白そうな話なのだろうと思います.

でも,いつもここまでなのです.どんな名作と言われる能も,実際に演じられるものを観ると決まって退屈してしまいます.

今回も,後半にいよいよ本性を現わした妖蛇と僧達との戦いのスペクタクルはそれなりに面白さはあるのですが,何せ21世紀のスピード感に慣れた目には,それ自体がそれほど驚くようなものではありません.

むしろ見所は,乱拍子と呼ばれる,シテが動くか動かないかというほどゆっくりと,しかし小鼓との緊密な対話をしながら舞台を移動する所作のなかで,極度にあやしさと緊迫感を高めるところだと思うのですが,ここがわからない.

そもそも,私には地謡が謡っている内容がよくわかっていないので,これが致命的です.謡本は家にあるので,ちゃんと勉強していけばいいんですけどね.

確かに私は,舞台でも音楽でも,その場へ行って提示されたものだけで理解できないと不満を感じるようになっているのかもしれません.能が生まれ,発展してきた過程では,そんな態度自体,非知性的として顧みられなかったのでしょうね.今度はもう少し準備をして臨みたいと思います.

ただ一点だけ,どうにかしてほしいことがあります.映画でも音楽でもライブの時は舞台だけを明るくして,客席は極力暗くするものです.これによって,観客や聴衆は舞台の上の非日常空間を現実のものとして体験しやすくなります.

ところが,今回の舞台の大阪能楽会館ではいつも客席に明かりが灯っています.今回だけでなく,いつもです.しかもこれが*蛍光灯*なんです.道成寺のアヤカシを体験するのに,蛍光灯点けっぱなしはないだろうと思いますが,いかがですか?

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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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