ホンダに20年乗った訳(その2)

本田宗一郎氏と「品位」というのは,何となくそぐわない感じがするかもしれません.ホンダが大メーカーになった後でも浜松の町工場のおっちゃん然としていて,背広姿よりも作業服のズボンの尻ポケットからタオルが覘いているような姿が似合っている感じでした.部下をよく殴ったそうですしね.

しかし,何より自分の会社が「公器」であるという認識を,会社の規模が大きくなるに従ってきちんと持つようになったと思われます.そして,過去には自分自身にそういう理解がなかったことを率直に認めている.これはしかし,なかなかできないことではないでしょうか.その後も,少なくともホンダの本社においては世襲的な権限委譲が一切なかったように聞いています.

誰でもが競争に参入でき,能力を発揮できた人間が高度で責任のある職を与えられる.その「機会」はすべての社員にとって平等でなければならない.なぜなら,それがその企業の潜在能力を最大化することにつながるからだ.という理念は,建前としてはどんな経営者でも口にします.しかし,なかなか実現は難しい.

トヨタは,リーマンショック以降,業績が悪化した途端に創業者直系子孫を社長に据え,それで危機を乗り切ろうとしています.いかにもトヨタ流ですね.トヨタの作る製品が世界一の品質を持っていることは誰の目にも明らかでしょう.しかし,上のような振る舞いを当然としているような企業風土は,本当にトヨタ自身(豊田家ではなく)のためになっているのでしょうか?

有能で知られ,最近マスコミでも引っ張りだこのスズキの現会長もやはり創業家の人ですが,もとはといえば創業家の娘さんのお婿さんとして外から来た人です.大阪船場あたりの商家で,有能な番頭さんを娘婿にとる伝統がありますが,それに近いやり方ですね.まだこれなら一定の合理性があるというものです.近代企業としてはギリギリの線というところでしょうか.

ホンダを選んだ話から大いに脱線してしまいました.

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

choby

Author:choby
最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
リンク
FC2カウンター