スタインウェイの調律師

映画を見ました.タイトル通り,ピアノの音に取り憑かれた人(々)のドキュメンタリーです.

ピアノマニア


スタインウェイ社の主任調律師シュテファンの活動を1年にわたって追っています.エマール,ブレンデルといった大御所だけでなく,ラン・ランのような若手ピアニストも登場します.とくにエマールは,このピアノからチェンバロの音を出せ,とか,オルガンの響きを出せ,とか,果てはこのキーの音を客席のあそこまで届かせろとか無茶苦茶な無理難題を突きつけます.それをシュテファンは「困難だが実現可能な要求」として受け入れて全力を尽くします.ピアノで食っている者同士,困難に見えても「これはやるだけの価値はあるんじゃないか」との感触を早い段階から共有できているところに感銘を受けます.

シュテファンは幼少からピアニストになるべく教育を受けましたが,若くしてをその道を断念.芸術家ではなく技術者の道を選んだわけです.「あの場(舞台)に立たなくてもいいのは自分にとっての救いだ」というような感慨を漏らし,仲間からは「オマエは簡単なことを難しく言い過ぎるんだよな」とからかわれます.こういう何気ないやりとりが彼や彼を取り巻く人々の音楽への関わり方をよく反映していておもしろい.

ピアニスト以外にもテノール歌手のイアン・ボストリッジとか,ちらっと登場するだけでも音楽ファンならうれしくなるシーン満載でした.

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Author:choby
最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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