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シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番&第2番

戸田弥生のリサイタルで聴いたシューマンのヴァイオリン・ソナタ第2番.CDを持っていなかったので,芸文センター小ホールで売っていた戸田とエル=バシャが共演した録音を買おうと思ったのですが,エクストンの新譜CDはちょっと高い.3000円を超えると躊躇してしまい,amazonなら少し安いかもと思ってその場では手を引っ込めてしまいました.

家へ帰ってから注文したのは結局これ.フランクの録音はいくつか持っているし,シューマンの第1番も聴いてみたかった.戸田さんごめんなさい.阪神間でのリサイタルはこれからも必ず聴きに行きます.


シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番&第2番
クラシック音楽

クレーメルとアルゲリッチの共演作はこれ以外にも数多く残されており,私も何枚かを持っていますが,この録音はこれまでノーマークでした.第1番,第2番とも短調で,ロマンの香り溢れる点が逆に胃にもたれると感じる向きもあるかもしれませんが,いずれも翳りのある情熱に満ちた魅力的な作品であることがよくわかりました.

第1番の方は3楽章構成とコンパクトで,しかも中間楽章の美しさ・高潔さで到底2番には及ばないとは感じますが,それでも繰り返し聴いていくと次第にその控えめな表現の中にある種の強靱さを感じ取ることができるようになります.

第2番は感情表現の幅が1番にくらべてはるかに拡がっており,悲嘆,自分への鼓舞,祈り,勇気というような感情や態度が聞こえてくるように思えます.もっとも音楽にとってこんなコトバを当てるのはあまり意味のないことなのでしょうが.クレーメルとアルゲリッチの表現は戸田とエル=バシャの演奏に較べるとやや明るめな印象ですが,これこそ表現者の個性であって,私はどちらも好ましく受け入れられます.それにしても第3楽章は美しい.素朴で,懐かしい.


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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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