春の伊豆を巡る-2日目午後

大室山に登ったら,その後は当然の帰結として城ヶ崎海岸に行くべきだと思いましたが,時刻はもう午近く.人出も多そうなので結局そのまま東海岸を南下することに.今井浜でR135から逸れて海岸方向へ行ってみましたが,お腹も空いてきていたのでここも通過.どうしようかと思いながら下田プリンスホテルまでやって来て,結局ここで海を見ながらの昼食ということになりました.

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食事の後に浜に出てみます.白い砂がスニーカーになるべく入らないよう気をつけながらビーチへ下りてみると,セーターを着たままでは暑いどころかもう初夏の風情です.この日は気温が20℃近くまで上がったようでした.

ここでもまた長い時間を過ごしてしまいました.日頃特に厳しいプレッシャーにさらされる生活をしているとは思っていませんが,それでも年齢なりの責務はあるし,無きがごとしとは言え多少の使命感が重荷になることもあります.明るい陽射しが降り注ぐ春の砂浜で何もしない時間を過ごすことは,多少大げさかもしれませんが私に限らず誰にとっても一種の浄化体験と言えるのではないでしょうか.

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下田プリンスを後にして下田市街を通り過ぎ,多々戸浜へ行ってみます.日差しはさらに強くなっているようでした.サーフボードをかかえて海に入る人,海岸沿いにクルマを駐めてウェットスーツのまま居眠りをする人.

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さらに弓ヶ浜へも足を延ばしてみました.春休みの子供達が波打ち際で遊んでいます.私も裸足になって浜を歩きたい気分でしたが,「あとが面倒じゃない」と妻に言われる気がして自重しました.確かにその通りですが,子供がうらやましい.

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日が少し傾いてきました.今日は松崎から少し内陸に入ったところにある大沢温泉に泊まるので,南伊豆から少し北上することになります.石廊崎はパスしましたが,奥石廊のユウスゲ公園には立ち寄ってみます.ここは伊豆半島ジオパーク構想にともなって整備されたと思われます.展望ポイント周辺のなだらかな地形と,そこから一気に海に向かって落ち込んでいく先の岩礁群の対比が魅力ある風景を構成しています.海はとても穏やかで,かえって荒々しい岩々が異界の風景のように見えました.

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ユウスゲ公園から数百メートル北に,ビジターセンターがあります.lここからだと高台のユウスゲ公園からよりも岩礁群がより間近に見えます.売店やトイレもあって,ツーリングの休憩にいい場所です.

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このあたりから先,いわゆるマーガレットラインはドライブ好きにとってはパラダイスです.奥が深いコーナーも多く,昔2スト250ccや4スト750ccのバイクで何度かここを走りましたが,ほとんど目がまわりそうで陶然となるのが常でした.もちろん今は一人ではないので,フットブレーキをあまり使わない走り方ですが.

時折かなたに富士山が見え隠れしますが,これだけ気温が高いとさすがに霞んでいました.雲見の海岸も今夕はパス.明朝もう一度来てみることにします.大沢温泉では桜が見られないかと少し期待していましたが,さすがにまだ早すぎました.

春の伊豆を巡る-2日目午前

朝6時に目が覚めて窓から外を見ると,ほぼ日の出の時刻であたりが薄明るくなるところでした.西向きなのでもちろん太陽は見えませんが,太陽と逆側の空はなんとも微妙な色合いをしているものです.海には二艘の漁船が出ているのが見えました.

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この日はいったん東海岸に出て下田方面へ南下,いくつかの浜を巡る予定です.まず朝一番は,ペンションの主人に教えられた戸田の御浜岬へ.灯台の脇にZ4を駐めて快晴の空を見上げます.確かに,富士がまるで駿河湾に浮かぶように見えています.

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戸田からは,昨夕越えてきた戸田峠へ向けて県道18号を登り返します.戸田峠から再び西伊豆スカイラインへ右折し,達磨山登り口へまた行ってみます.昨日は大きくて不格好なキャンピングカーが停まっていましたが,今朝は空いていてよかった.富士と海と美しく弧を描く道.この場所を楽しむには装備最小限のクルマやバイクが一番です.


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いつまでもここに居たいような天気と気温でしたが,先に進むことにします.また戸田峠へ戻り,修善寺温泉へ下ります.ここからは県道12号を辿り中伊豆バイパス,県道351号を経て大室山へ.ここからも富士を見てみようとリフトに乗ります.西伊豆スカイラインでは穏やかでしたが,大室山山頂は強風が吹いていました.富士はやや霞みながらも,中伊豆の山々の向こうによく見えていました.

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春の伊豆を巡る-1日目

20代から30代にかけて静岡県に住んでいたころ,伊豆には何度も出かけました.特に冬から春にかけ,温暖さを求めてよく行ったものですが,阪神間に引っ越してきてからは気軽に出かけられる距離ではなくなり,ここ20年というものすっかり足が遠のいていました.Z4を手に入れてからぜひもう一度行ってみたいと考えていましたが,今回週末から3連休が取れ,ここで行くしかないと決めました.

初日は主に冠雪した富士を眺めるのが主目的.当初は御殿場まで行って箱根スカイライン→芦ノ湖スカイライン→伊豆スカイラインを経由してから西伊豆スカイラインへ行く予定でしたが,新東名に入ったところで事故渋滞に巻き込まれて時間を大幅にロス.このため箱根周辺はすべてカットして長泉沼津ICから西伊豆スカイラインへ直接向かいました.

新東名からはすっきりと見えていた富士でしたが,だるま山高原の展望台に着いたときには裾野が雲に覆われ,そこから頂上がかろうじて顔を出している状態でした.それでも,関西暮らしの住民にとって,青い駿河湾の向こうに見える富士はやはり格別のものです.

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ここから西伊豆スカイラインに入り,少し南下したところにある達磨山に登ってみました.夕刻が迫り,南側には陰影を増した稜線を縫うように縦走路が走り,それと交差しながらスカイラインが延びています.北を見るとさっき展望台から見たよりも雲が下がり,富士の頂上はよく望めるようになっていました.

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この日は戸田から少し土肥へ向かって南下し,海を見下ろす斜面に建てられているペンションに宿泊.窓からは,夕日が静岡市の背後の山々の稜線に沈むのを見ることができました.ペンションに泊まるなんて何十年ぶりですが,評判に違わず丁寧に作られた食事がとてもよかったです.

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ラヴェルの弦楽四重奏曲:アルバン・ベルク四重奏団

荒々しいのに野卑ではなく,陰りはあるが暗鬱とはしておらず,愉しさはあるが軽佻ではない.そして悲壮感が一切ないのに限りなく美しい.そんな魅力的な音楽を聴いてみたくありませんか?

先日ジャパン・ストリング・クヮルテットβで聴いたラヴェルの弦楽四重奏曲は,私にとってまさにそんな音楽です.


ラヴェル&ドビュッシー:弦楽四重奏曲集

上のCDはアルバン・ベルク弦楽四重奏団のフランス音楽集(ストラヴィンスキーも入っているので厳密にはそうではないが)です.ラヴェルに関する演奏はきわめて緻密ですが,ほとんど幽玄の域に達しているといっていい曲の印象は,その精密さがあって初めて現出しえたように思います.

1980年代初めの録音です.音の録り方は直接音が多く明瞭で,各奏者が何をしているか,目に見えるようです.ただし定価は1700円だったのに,現在は品切れのようで中古は定価の10倍の値段が付いています.私が持っているこの盤はリマスタリングが施されて2002年にリリースされた新盤ですが,旧盤は手に入りやすいようなのでそちらでもよいのではないでしょうか.いずれにしてもすばらしい演奏で,私が持っている二千枚ほどのCD・LPの中でもラックから取り出す回数の特に多い1枚です.

淡路島に河津桜を見に行く

先日市内に探しに行って見つからなかった河津桜.日曜は天気が良さそうだったので,確実に咲いているはずの淡路島国営明石海峡公園へ行ってみました.100本ほどのまだ若い木が植えられていて,七分咲きといったところでした. クールなソメイヨシノに較べ,薄赤い河津桜は暖かな雰囲気です.南風が強く,花が揺れて写真はうまく撮れませんでした.
 
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黄水仙も密生して満開でした.黄色い花はやはり春の象徴です.丈の低いチューリップも咲きかけていました.

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せっかく橋を渡ってきたので,公園に1時間ほどいた後は島南部のドライブをしました.洲本を通り過ぎ,さらに南下.紀伊半島にもっとも近い場所である生石鼻の展望台です.この日は気温が17℃くらいまでにあがって湿度があったためか,風景はどこへ行っても霞んでいました.それでも紀淡海峡に浮かぶ友が島の群島の向こうに,和歌山がうっすらと見えていました.

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さらに島南岸ぎりぎりを通る県道76号線を先に進みます.もう水仙の時期は終わっており,灘黒岩水仙郷周辺も交通量はまばらです.たいていここまで来ると大鳴門橋のそばにある道の駅うずしおに寄るのですが,この日は大鳴門橋記念館の方へ行ってみました.春の大潮で観光船がたくさん出ている中,貨物船がゆったりと橋の下を通ってゆくのが見えました.

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ジャパン・ストリング・クヮルテットβのコンサート

実績のあるソリスト4人による弦楽四重奏団.今回はヴィオラ奏者の菅沼準二が体調不良でN響次席ヴィオラ奏者の飛澤浩人に代わったことにより,カルテットの名称にβ(ベータ)が付きました.大阪・フェニックスホール.

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去年,若いカルテットのベートーヴェンを聴いて弦楽四重奏に少し目覚めたことはここに書いたとおりです.今回は若手の指導もしている大ベテランのカルテット.曲目は以下です.

ハイドン:弦楽四重奏曲 第39番 ハ長調 作品33-3 「鳥」 HobⅢ-39
ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調
〈休憩〉
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第12番 変ホ長調 作品127

このカルテットは結成以来ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の全曲演奏を目指してきただけあって,後半のベートーヴェン12番はさすがに見事でした.特に1,2楽章の美しい流れに乗った歌いっぷりがすばらしかったと思います.

私個人としては,前半のラヴェルは数ある弦楽四重奏曲の中でももっとも愛している曲で,ライブで聴けるのを大変楽しみにしていました.1楽章では,いかにもフランス音楽らしく,音色が綾をなして次々に交替していく様が本当に目に見えるように描き出されていて鮮やかでした.各楽器がピチカートでリズミックに躍動する2楽章では,若干の不揃いも.まあこれもライブならではでしょうか.レガートの干渉で音が濁る部分はちょっと残念でした.

ハイドンは古典ならではの品格がありました.もう少し典雅な曲をイメージしていましたが,辛口の表現だったように思います.後期の有名曲も聴いてみたいですね.

公演の最後は,彼らがこの後開く弦楽四重奏の公開マスタークラスに参加する4組の若いカルテットを舞台にあげて紹介していました.こういうものを聴ければ,音楽がどのように構成されていくかがよくわかるでしょうね.これはまたの機会に.

下野竜也 「シューマン&ブラームス プロジェクト」 第1回公演

下野竜也は兵庫県立芸術文化センターオケを指揮して,これまでブルックナーの交響曲4,7,8,9番を演奏しました.私はすべてのチケットを入手し,残念ながら仕事が入って聴けなかった7番を除いてすべて聴きました.このブログにも8番,9番の感想は書きとめています.いずれも響きの見通しの良いすばらしい演奏であったと思います.

今回はその下野がシューマンの4曲の交響曲と,ブラームスの4曲の協奏曲を組み合わせ,19世紀ロマン主義の大曲群を現代的に解釈し直そうという試み(たぶん)です.毎回2曲ずつで全4回.有名曲ぞろいなので安心して聴けるということもありますが,下野ほどの将来を嘱望された指揮者が採り上げるからには,何らかの新機軸が必ず試みられるのだろうという,聴き手にとっては大変期待が持てるプロジェクトでもあります.もっともそれが何なのかは私には結局わからないでしょうけど. チケットは4回セットで取れたので,あとは仕事が入らないことを願うばかりです.
 
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今回はその第1回目.ブラームスのピアノ協奏曲第1番とシューマンの交響曲第4番という,どちらもイ短調の曲の組み合わせ.ところで,佐村河内(新垣)氏の「交響曲第1番」が最初に話題になったとき,「今時これほと19世紀的な曲を,パロディでなく書いてしまうのはすごい」という褒めているのか貶しているのかわからないコメントを見ました.今回のプロジェクトは「それが何か? 19世紀何か問題でも?」といったところですね.


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さて前半はブラームス.ピアニストは小山実稚恵.私はこれまで,ブラームスの2曲あるピアノ協奏曲では2番を主に聴いてきて,1番はどちらかというと敬遠してきました.ロマン派の短調の曲はどうも胃にもたれる感じがしていましたので. しかし今回この曲を小山のソロで聴いて,こんなにいい曲だったのかと見直しました.小山の音色が明るく,下野の指揮もいたずらに悲壮感を強調するものでないところが良かったのかもしれません.それでも曲の豊かなロマンチシズムは失われることなく,胸に迫る場面は何度もありました.4楽章もあって何となく竜頭蛇尾の印象がある協奏曲第2番より一貫した楽想が感じられるようで,これがこの1番を見直した大きな理由です. 下野によればこの曲は「好きなら好きと言えよ」という曲だそうで,相手はもちろんシューマンの妻(当時はすでに未亡人となっていた)クララです.

後半はシューマン.4曲の交響曲のうち,この第4番は私にとって一番印象の薄い曲でした.古典的な形式を持っていないこともあって構成がわかりにくく,全体として大きな感銘を受けにくい気がしていました.クララに贈った誕生日プレゼントの曲で,生活も気分も安定した中で自由に楽想を展開したというところでしょうか.普通この曲は4楽章続けて演奏されますが,ライブだと各章の区切りはわかりやすく,堂々とした第1楽章,森の小道をゆっくりと歩くようなインタールードとしての第2楽章,何かを決断しようとしているような第3楽章,そして明るく弾けた第4楽章,それぞれの性格がよくわかりました.

私自身はあまりそういう聴き方は好みませんが,いずれもクララ・シューマンの影がつきまとう曲だというのが世評のようです.特にブラームスは,何百年たってもそれを言われて少し気の毒ですね.いつかブラームスの作品から彼の体臭が抜ける日は来るのでしょうか.

河津桜を探しに行ったのだけれど

伊豆ではすでに盛りを過ぎていると聞く河津桜.市内の公園に何本か木があると聞いて行ってみましたが,今年の寒さによるものなのか例年そんなものなのかわかりませんが,つぼみも確認できず.かわりに満開の梅を見て帰ってきました.咲きかけの梅の花を見ると,ウメがバラ科の植物であることがよくわかりますね.

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マーティ・ペイチ 「ブロードウェイ・ビット」

理髪店のポイントでもらったCD.


ブロードウェイ・ビット
ジャズ
1. It's All Right With Me
2. I've Grown Accustomed To Her Face
3. I've Never Been In Love Before
4. I Love Paris
5. Too Close For Comfort
6. Younger Than Springtime / The Surrey With The Fringe On Top
7. If I Were A Bell
8. Lazy Afternoon
9. Just In Time

ポイントが貯まったからどれか選んでくださいと言われてトレイを見ると,CDが4枚並んでいました.うち2枚はすでに持っています.残りの2枚がビリー・ホリデイの「The Ultimate Collection」とマーティ・ペイチの「The Broadway Bit」.硬派なジャズファンなら当然ビリー・ホリデイだよなあと思いながら,手は何の迷いもなくこのマーティ・ペイチに伸びていました.

ジャズファンはとにかくこういうジャケットがやたらに好きなわけですが,確かにこのジャケットはいい.もちろんみんながいいと思う理由で私もいいと思うのですが,それだけでなくたとえば,手前で休んでいる(出を待っている)ダンサーの読んでいる本は結構分厚くて読みでがありそうなことに気づきます.もしかしたらこの人は演劇を勉強している大学生で,アルバイトでこの仕事をやっているのかな,とか,今はダンサーをやって糊口をしのいでいるが,夢は舞台俳優なのかな,とかいろいろ想像が膨らむところがよいのです.

とは言え,誰でも最初は網タイツに目が行くことは確かで,これを家に持って帰ってソファの前のテーブルに置いておいたら,それを見た妻の第一声は「な~に~これー」でした.そう言われると何となく弁解口調になるのが我ながらだらしないのですが,私もジャズファンの端くれとして,こういう場合は「いやこれはメンバーと曲がすごく良いのだ」と返答するおきまりのパターンとなります.

実際,このCDを手に取ったときすぐに裏返し,メンバーの確認はしています.1959年当時の西海岸の精鋭による最小編成のフルバンド.フランク・ビーチ(tp),スチュ・ウィリアムソン(tp,v-tb),ジョージ・ロバーツ(tb),ボブ・エネヴォルゼン(v-tb,ts),ヴィンス・デローザ(fhr),アート・ペッパー(as),ビル・パーキンス(ts),ジミー・ジュフリー(bar,cl),ヴィクター・フェルドマン(vib,perc),マーティ・ペイチ(p,arr),スコット・ラファロ(b),メル・ルイス(ds) といった面々です.

ホーン奏者ではやはりアート・ペッパーの参加が注目されますが,このバンドのキーマンは何と言ってもベースのスコット・ラファロです.ビル・エヴァンスのトリオに入る直前,注目度も高まっていたのでしょう.フルバンドの演奏としては異例と言えるほど,彼のベースソロがフィーチャーされています.屈強と呼ぶのがふさわしい音圧と音色,すさまじいまでの躍動感でバンド全体を引っ張り,マーティ・ペイチの趣味のいいアレンジから飛び出しそうな勢いです.エヴァンス・トリオというジャズの歴史上もっとも繊細な演奏を残したバンドのベーシストを務めたからといって,なよなよとしたイメージを持つのは完全な誤りです.

録音・マスタリングも良く,演奏は最高です.もちろんジャケットもね.

ターナー展 -ロマン主義から印象派への底流を見る

英国の風景画家ターナーの絵画展.神戸市立博物館.

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ターナーという画家はこれまで,輪郭のはっきりしない風景を描いたイギリス人で,やはりあの国は湿気が多いのか,というくらいの認識しか持っていませんでした.今回この展覧会を観て,その認識が単純すぎることに(いつもながらではあるけれど)気づかされました.

西洋絵画において画家の意思や感情を表現する手段として,18世紀までは伝統的に宗教や歴史が題材とされてきました.18世紀末から19世紀にかけて活動したターナーによって初めて,自然や人工物の風景もそのような表現手段として認められたとされています.

確かに初期から中期にかけての諸作品からは,自然の景観を描きながらもそこに物語というか,一種の文脈が読み取れる絵を描こうとした意思が認められます.そのため,風景画とは言っても目に映ったそのままを描くのではなく,時にディテールはターナーの意図によって改変され,そのことによって物議をかもしたこともあったようです.

晩年の作品からは次第に事物の輪郭が失われてゆき,描かれるものはみなぼんやりとして主題が何かを読み取ることが難しくなります.なぜこんなにも朦朧としたものを描いたのか? 今回の展覧会では,この点に関して興味深い展示スペースが設けられていました.Color beginning と名付けられたスペースで,ターナーが自分の作品を構成する最初の段階で,色彩の変化がもたらす雰囲気を様々に実験した習作群が展示されています.

これを見ると,ターナーという画家は色彩のうつろいに最大限の重きを置いて表現を試みたことになります.作品に示される景観や人工物は作品が人々に受け入れられるために描き込まれたにすぎず,ターナーにとってはそうした具象は関心の対象外であったのではないかとさえ感じられます.事実,晩年の作品の多くは見方によっては現代の抽象画と呼んでも差し支えないような性格を持っています.

色彩のうつろいのみを描いたとなれば,関心は光そのものを描くことにあったと言えそうです.晩年の作品は当時の人々にあまり受け入れたれたとは言えなかったようですが,ターナーの死後数十年を経て勃興するフランス印象派のムーブメントを予見したとも言えそうなこれらの作品から,早すぎた印象主義というような感触を持ちました.

Raspberry Pi にアプリケーションソフトをいくつかインストールする(備忘録)

その前に,まだちゃんと日本語が使えるようになっていなかったので,日本語フォントや日本語入力システムをインストールします.

●日本語フォント
$ sudo apt-get install fonts-ipafont ttf-vlgothic xfonts-base
●日本語入力システム(インプットメソッドuim,仮名漢字変換Anthy)
$ sudo apt-get install uim uim-anthy

CPUパワーの不足するRaspberry Pi でそんな使い方はしないと思いますが,画像編集・文書編集関係のツールを導入してみます.

(1) gimp:画像編集
$ sudo apt-get install gimp

(2) tgif:2D図形描画
$ sudo apt-get install tgif

(3) gnuplot:グラフ描画
$ sudo apt-get install gnuplot-x11

(4) LaTeX:文書処理システム
●本体
$ sudo aptitude install texlive-lang-cjk

●日本語対応dviファイルビューア
$ sudo apt-get install xdvik-ja

●PostScriptドキュメントビューア gv(GhostView)
$ sudo apt-get install gv

一昔前はUNIXで日本語TeXを使用するにはずいぶん苦労した記憶がありますが,これだけで何の問題もなく美しいドキュメントが作成できます.最近のWindows版などでは,コンパイルするとdviファイルやpsファイルの介在を意識させず,いきなりpdfファイルが生成されるようなワークスタイルになっているようですが,ここでは次の基本パターン通りです.

hoge.tex
↓ platex hoge.tex
hoge.dvi (表示は pxdvi-xaw hoge.dvi)
↓ dvips -Ppdf hoge.dvi
hoge.ps (表示は gv hoge.ps) 
↓ ps2pdf hoge.ps hoge.pdf
hoge.pdf (表示は xpdf hoge.pdf)


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choby

Author:choby
最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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