春の伊豆を巡る-3日目帰路

伊豆の旅を早く切り上げてまでぜひ立ち寄りたかったのは,静岡県浜松市にある秋野不矩美術館.新東名浜松浜北インターからすぐのところにあります.

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日本画家・秋野不矩は,私の中ではやはり「インドを描いた画家」です.50代も半ばになって招聘されて渡印したことを契機に,インドの風土を描き始めました.これが本当にすばらしい.兵庫県立美術館で初めてこの人の「廃墟II」や「オリッサの寺院」を見たとき,私自身がまさにインドを旅していたときに嗅いだ乾いた日向の匂いがよみがえりました.

ここに来たかった理由のもう一つが,この建築です.藤森照信設計で,自然の素材を多用して手作り感満点です.エントランスから入るとまず靴を脱ぐことになります.スリッパを履いて廊下を右手奥に歩くと,やわらかに白い大理石床の常設室IIへ.上で触れた「廃墟」や「渡河」といった有名作が展示されていました.案内の人に関西から来たと言うと,我々が見た兵庫県立美術館での展示の後,京阪神からの客がずいぶん増えたとのこと.

廊下を戻って常設室Iに入ると,床にござが敷かれていて,どこかエキゾチックです.こちらには比較的初期の作品が多く展示されており,この画家が日本画家であることを再確認することになりました.

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前にもどこかで書いたけれと,旅行の途中で美術館に立ち寄るのはいいですね.今回は高速道路の退屈な長距離移動を中断しての訪問だったので,非常にリフレッシュできました.
(おわり)

春の伊豆を巡る-3日目午前

3日目.宿泊が温泉宿なので,朝はゆっくり7時半に食事.もう少し早くならないかと頼んでみましたが,これが限度とのこと.そもそもゆったり過ごす場所なので,夕景を見てあたりが薄暗くなってから到着し,朝の澄んだ空気の風景が見たいと早く出発するような客はこういう所に向いていませんね.

結局9時をだいぶ過ぎてから出発.松崎から国道136号を南下し,昨夕通過してしまった雲見の海岸へ行ってみます.平日ということで,近所のおばさん達の仕事の邪魔にならないようにZ4を駐車スペースの隅に停めます.エンジンを切り,クルマから降りて海岸から北に目をやると,青い海の向こうに少し霞んだ富士が見えました.

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雲見からはまたR136を北上.基本追い越し禁止の区間が続き,前車の後を淡々と走ります.30分程で黄金埼クリスタルパーク着.ここでトイレ休憩し,また西伊豆スカイラインを目指すことにします.宇久須南の交差点から県道410号へ右折.すぐにセンターラインはなくなり,道幅も少し狭くなりますが,離合困難なほどではありません.途中2車線になったりまた1車線になったりを繰り返しながら,20分程高度を上げると周囲に高い木がなくなり,見通しがよくなって高山の様相.ほどなく仁科峠に到着.

富士が大きく見えています.日陰にはまだ多くの雪が残っていました.快晴ですが,強風が吹いています.富士の頂上には笠雲がかかり,ここ数日続いた好天がもう崩れてくることを示していました.

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仁科峠から西伊豆スカイラインを北上.道は乾いていますが,道路脇にはあちこちに雪が溶け残っており,今年の雪の多さを物語っていました.そして今回のツアーで三度目の達磨山に到着.同じ所にZ4を停め,また富士と海を眺めますがとにかく真っ直ぐ立っているのが困難なほどの強風でした.おかげで私はこの4年使ってきたキャップを持って行かれて残念.

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それにしてもここからの眺めは最高です.動きたくなくなるのですが帰路寄りたいところがあるので,まだ午になりませんが伊豆半島を後にすることにしました.

春の伊豆を巡る-2日目午後

大室山に登ったら,その後は当然の帰結として城ヶ崎海岸に行くべきだと思いましたが,時刻はもう午近く.人出も多そうなので結局そのまま東海岸を南下することに.今井浜でR135から逸れて海岸方向へ行ってみましたが,お腹も空いてきていたのでここも通過.どうしようかと思いながら下田プリンスホテルまでやって来て,結局ここで海を見ながらの昼食ということになりました.

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食事の後に浜に出てみます.白い砂がスニーカーになるべく入らないよう気をつけながらビーチへ下りてみると,セーターを着たままでは暑いどころかもう初夏の風情です.この日は気温が20℃近くまで上がったようでした.

ここでもまた長い時間を過ごしてしまいました.日頃特に厳しいプレッシャーにさらされる生活をしているとは思っていませんが,それでも年齢なりの責務はあるし,無きがごとしとは言え多少の使命感が重荷になることもあります.明るい陽射しが降り注ぐ春の砂浜で何もしない時間を過ごすことは,多少大げさかもしれませんが私に限らず誰にとっても一種の浄化体験と言えるのではないでしょうか.

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下田プリンスを後にして下田市街を通り過ぎ,多々戸浜へ行ってみます.日差しはさらに強くなっているようでした.サーフボードをかかえて海に入る人,海岸沿いにクルマを駐めてウェットスーツのまま居眠りをする人.

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さらに弓ヶ浜へも足を延ばしてみました.春休みの子供達が波打ち際で遊んでいます.私も裸足になって浜を歩きたい気分でしたが,「あとが面倒じゃない」と妻に言われる気がして自重しました.確かにその通りですが,子供がうらやましい.

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日が少し傾いてきました.今日は松崎から少し内陸に入ったところにある大沢温泉に泊まるので,南伊豆から少し北上することになります.石廊崎はパスしましたが,奥石廊のユウスゲ公園には立ち寄ってみます.ここは伊豆半島ジオパーク構想にともなって整備されたと思われます.展望ポイント周辺のなだらかな地形と,そこから一気に海に向かって落ち込んでいく先の岩礁群の対比が魅力ある風景を構成しています.海はとても穏やかで,かえって荒々しい岩々が異界の風景のように見えました.

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ユウスゲ公園から数百メートル北に,ビジターセンターがあります.lここからだと高台のユウスゲ公園からよりも岩礁群がより間近に見えます.売店やトイレもあって,ツーリングの休憩にいい場所です.

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このあたりから先,いわゆるマーガレットラインはドライブ好きにとってはパラダイスです.奥が深いコーナーも多く,昔2スト250ccや4スト750ccのバイクで何度かここを走りましたが,ほとんど目がまわりそうで陶然となるのが常でした.もちろん今は一人ではないので,フットブレーキをあまり使わない走り方ですが.

時折かなたに富士山が見え隠れしますが,これだけ気温が高いとさすがに霞んでいました.雲見の海岸も今夕はパス.明朝もう一度来てみることにします.大沢温泉では桜が見られないかと少し期待していましたが,さすがにまだ早すぎました.

春の伊豆を巡る-2日目午前

朝6時に目が覚めて窓から外を見ると,ほぼ日の出の時刻であたりが薄明るくなるところでした.西向きなのでもちろん太陽は見えませんが,太陽と逆側の空はなんとも微妙な色合いをしているものです.海には二艘の漁船が出ているのが見えました.

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この日はいったん東海岸に出て下田方面へ南下,いくつかの浜を巡る予定です.まず朝一番は,ペンションの主人に教えられた戸田の御浜岬へ.灯台の脇にZ4を駐めて快晴の空を見上げます.確かに,富士がまるで駿河湾に浮かぶように見えています.

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戸田からは,昨夕越えてきた戸田峠へ向けて県道18号を登り返します.戸田峠から再び西伊豆スカイラインへ右折し,達磨山登り口へまた行ってみます.昨日は大きくて不格好なキャンピングカーが停まっていましたが,今朝は空いていてよかった.富士と海と美しく弧を描く道.この場所を楽しむには装備最小限のクルマやバイクが一番です.


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いつまでもここに居たいような天気と気温でしたが,先に進むことにします.また戸田峠へ戻り,修善寺温泉へ下ります.ここからは県道12号を辿り中伊豆バイパス,県道351号を経て大室山へ.ここからも富士を見てみようとリフトに乗ります.西伊豆スカイラインでは穏やかでしたが,大室山山頂は強風が吹いていました.富士はやや霞みながらも,中伊豆の山々の向こうによく見えていました.

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春の伊豆を巡る-1日目

20代から30代にかけて静岡県に住んでいたころ,伊豆には何度も出かけました.特に冬から春にかけ,温暖さを求めてよく行ったものですが,阪神間に引っ越してきてからは気軽に出かけられる距離ではなくなり,ここ20年というものすっかり足が遠のいていました.Z4を手に入れてからぜひもう一度行ってみたいと考えていましたが,今回週末から3連休が取れ,ここで行くしかないと決めました.

初日は主に冠雪した富士を眺めるのが主目的.当初は御殿場まで行って箱根スカイライン→芦ノ湖スカイライン→伊豆スカイラインを経由してから西伊豆スカイラインへ行く予定でしたが,新東名に入ったところで事故渋滞に巻き込まれて時間を大幅にロス.このため箱根周辺はすべてカットして長泉沼津ICから西伊豆スカイラインへ直接向かいました.

新東名からはすっきりと見えていた富士でしたが,だるま山高原の展望台に着いたときには裾野が雲に覆われ,そこから頂上がかろうじて顔を出している状態でした.それでも,関西暮らしの住民にとって,青い駿河湾の向こうに見える富士はやはり格別のものです.

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ここから西伊豆スカイラインに入り,少し南下したところにある達磨山に登ってみました.夕刻が迫り,南側には陰影を増した稜線を縫うように縦走路が走り,それと交差しながらスカイラインが延びています.北を見るとさっき展望台から見たよりも雲が下がり,富士の頂上はよく望めるようになっていました.

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この日は戸田から少し土肥へ向かって南下し,海を見下ろす斜面に建てられているペンションに宿泊.窓からは,夕日が静岡市の背後の山々の稜線に沈むのを見ることができました.ペンションに泊まるなんて何十年ぶりですが,評判に違わず丁寧に作られた食事がとてもよかったです.

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Author:choby
最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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