冠雪した北アルプスを見た信州ツアー 3日目【雨・帰路・東山魁夷美術館】

最終日の朝,蓼科の空は曇で覆われていました.いつ雨が落ちてきてもおかしくない空模様で,屋根は閉めたまま出発.それでも蓼科山ははっきり見えていました.


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下りはじめて間もなく,小さな雨が降ってきました.雨の中をワイパーを動かして走るのも,2年前の夏の北海道以来です.ブレードはこの春新品にしたばかりなのに,フロントガラスが汚れているのか右ワイパーの自励振動がひどく,うるさくて使っていられません.普段使いしていればこんなことにはならないのだろうけど,帰ったら直さないといけないな.

3日目の天気が良くないことは承知していましたが,雨さえ降っていなければ野麦峠か開田高原経由で髙山へ行き,千光寺で円空仏を見るつもりでした.しかし,早々に降り出してしまったので,峠越えは見送り.諏訪から中央道に乗ってさっさと帰ることにします.しかしそれではあんまりなので中津川ICでいったん降り,東山魁夷美術館「心の旅路館」へ寄ることにしました.R19を20分ほど木曽方面へ戻ると,道の駅賤母(しずも)エリア内にある美術館に着きます.



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ここは2011年9月に用があって伊那へ行った帰り,たまたま道の駅賤母に寄ったら併設されていたので入ってみたのでした.木曽路は東山魁夷が若い頃はじめて一人旅をした土地で,その旅にちなんで建てられた美術館だそうです.小規模ですが,いかにもこの地にふさわしい画家の作品を気軽に見られたので気に入っていました.前日の夕刻,蓼科を散歩しながらまるで東山魁夷の絵のようだと感じた風景を,ここで確認できるような次第になったのは雨メニューとしては良かった.下の「秋径」絵葉書買いました.


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(終わり)

冠雪した北アルプスを見た信州ツアー 2日目夜【番外編:ブリティッシュ・サウンドでモーツァルト】

宿泊は蓼科ペンション村の最深部にある「リトルフット」.本来この日は白駒池や麦草峠を越えて八千穂高原まで足を延ばすつもりだったので,到着が遅くなることも見越して蓼科にしたのでした.

斜面に建てられた「リトルフット」の玄関へは,駐車スペースから木製の階段を下って入ります.周囲の木々が落とした葉が階段の両脇に積もっていました.散歩して結構身体が冷えてしまっていたので,まず風呂に入らせてもらいました.

食事は地場の野菜や果物を積極的に採り入れてていねいに作られたもので,美味しくいただきました.そして,食堂スペースに入った時から気になっていたのが,DENON製ターンテーブルに分厚い筐体を与えられたアナログレコード・プレーヤー.しかも音の出口は一目みてハーベスのスピーカーです.アンプは遠目によくわかりませんでしたが,後で確認したらミュージカル・フィデリティのA1で,スピーカー共々英国製です.純A級で,しかもこの筐体だと放熱が難しくて使うには覚悟がいるだろうと思います.極端に控えめに言っても,そこらの家電量販店で適当に買ってきたらこうなったなどというシステムではありません.

また,食堂に隣接した小部屋は大きなディスプレイが置かれたAVルームになっています.こちらは冬のスキー客が主に利用するのかもしれませんが,食事が終わってから棚にたくさん置かれているDVDのタイトルを見てみると,クラシック音楽のライブ映像などもたくさんあることがわかりました.

ハード・ソフトともに内容が大変充実しています.そこで,アナログシステム脇のLPの棚を見てみると,クラシック音楽の音源がたくさんあるようでした.システムの仕様から小編成の音楽が良さそうだと思ったので,オーナーさんにモーツァルトの弦楽四重奏曲「狩」をかけてくれませんかと当てずっぽうにお願いすると,それはないんですが,ではこれをと言ってかけてくれたのが,「狩」と同じハイドンセット6曲のうちの1曲で第14番( K.387)でした.演奏はスメタナ四重奏団.

いやもう最高でした.オーナーさんが「しばらく鳴らしてないので」と仰るとおり,最初はちょっと鼻をつまんだような音がしていましたが,だんだん調子が出てきて,第3楽章に入る頃にはハーベスのちょっと暗め(私のクレモナに較べると...かな)の音色が蓼科の夜にすばらしくフィットしていました.まるまる一曲聴かせていただいたので遅くなってご迷惑をおかけしましたが,私たちにとってこんなリッチな宿泊はありません.この日はR299通行止でがっかりしていましたが,これは本当にその気分を帳消しにしてくれる愉しいレコード・コンサートでした.




冠雪した北アルプスを見た信州ツアー 2日目後半 【乗鞍高原から八ヶ岳・蓼科へ】

K84を登って高原へ近づくにつれ,頂上直下100mほどが真っ白になった乗鞍岳が正面に見え隠れしながら次第に迫ってきて気分が盛り上がります.K84から上高地乗鞍スーパー林道へ取り付いた所でクルマをとめ,晩秋を過ぎて冬枯れの始まった林の向こうの山々を眺めます.

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私が前にこの高原に来たのは1985年か1986年頃です.バイク(GSX750Sカタナ)で来て,マイカー乗り入れ禁止になる遙か前の乗鞍スカイラインを走りました.眺望はすばらしかったけれど,とにかく当時からクルマが数珠つなぎになっていて,私は渋滞しているクルマの脇をすり抜けながら登りました.あの高度では私のバイクのキャブレターのエンジンはアイドリングが不安定で,前のクルマに並んで待っていられなかったためです.

あれほどの景観を自分の足で歩かずに見ることができる道路は国内にはたぶん他になく,放置すればクルマで溢れかえってしまうのは無理ないでしょうね.残念ながら規制は仕方のないところだと思います.

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上高地乗鞍スーパー林道は,2014年にZ4で来た時に奈川側から登ろうとして取り付きまで来て初めて通行止めになっていることを知って残念がった経緯があります.今回はそのリベンジです.当初紅葉を期待していましたが,ここまで来る道中でその可能性はないことがわかっていました.それでも登るほどに乗鞍は大きさを増すようで,安房峠に続いてここでも景観を満喫できました.ただ,運転しながらであれば,今回とは逆に奈川側から登って乗鞍高原に下る方が眺めは良いかもしれません.

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ところどころで紅葉の名残を見ることはできましたが,白樺峠付近では広葉樹はすべて葉を落とした状態で冬を待つばかりでした.峠直近の白樺湖周辺も寒々しく,一瞥しただけで展望台への遊歩道入り口へ.展望台への往復40分を歩くかどうか迷いましたが,これから一気に麦草峠まで行くつもりだったので散歩はパス.

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そのままスーパー林道を奈川まで下り,K26へ出て北上.再びR158で松本へ.中央道に乗って諏訪ICからR299で麦草峠へ向かおうとしました.ところが茅野市街の電光掲示板に「麦草峠 積雪 通行止」の表示が.前々日までの雪で峠の通り抜けができなくなっているらしい.またか.前回の白樺峠に続き,またも情報収集漏れです.といっても仕方ありません.今晩の宿泊は蓼科なので,もう諦めてこのままのんびり道草しながら向かうことにします.

R299を東進するにしたがって八ヶ岳が大きくなってきます.蓼科あたりの人は,「渋峠が開放されるまでは麦草峠が国道では最高点だったんだけど」とちょっと残念そうに言います.まあそれほど高度のある峠なのだから,八ヶ岳が冠雪していることを考えると,麦草峠の積雪は予想しておかなければならないところでした.


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こうなったら八ヶ岳を眺めながらのんびり.田に干された稲わらが遠目に幾何学的ですがすがしい.宿に着き,カメラだけ持って夕刻の散歩に出ました.蓼科山が暮れてゆき,まるで東山魁夷の世界.いやほんとにこういう風に見えるんだと画家の目と腕に改めて感心しました.


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冠雪した北アルプスを見た信州ツアー 2日目前半 【安房峠から乗鞍高原へ】

宿泊は「槍の郷」.その名の通り,私達の泊まった部屋の窓からは槍ヶ岳が望めます.2日目も快晴.


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Z4は朝露でびっしりと覆われていて,いきなり屋根を開けるとトランク内が水浸しになりそうです,出発は屋根ありで.晩秋の朝の冷気の中,とてつもない視程で晴れた空の下を平湯に向って下ります.まずは旧道安房峠を目指してR158へ左折.平湯温泉街にある平湯神社前の空きスペースに停めさせてもらい,ここで屋根を開けました.目の前で足湯をしていた老夫婦に見守られつつ,防寒対策も完了.

温泉街をあとにし,1.5車線の急坂を10分も登ると,木立がほとんど葉を落とした明るい林に出ました.梢が逆光に映えて美しい.さすが歴史ある道,趣があります.道ばたに落ちた木の葉には霜が降りていました.

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このあたりから道は斜面をトラバースするようにつけられ,谷側の木がみな葉を落としているため見通しがききます.気温は低いですが陽射しがあるので寒さはまったく感じません.うっすらと冠雪した山々を見ながらゆっくりカーブを辿っていくのは,信州や北関東以北に暮らす人にとっては珍しくもないでしょうが,私にとってこれはもう極上の時間というほかありません.

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安房峠着.長野側には穂高連峰が,岐阜側には乗鞍方面が,いずれも冠雪した状態で望めました.電線が微妙に残念ですが,澄んだ大気と眺望がそれに勝ってそれほど気になりません.

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眺望を満喫してダウンヒル.といっても速度を上げられるような道ではありません.特に長野側は下りきる手前のヘアピンの連続が過酷です.トンネル開通前にはここを大型車両が走っていたことを考えると,当時のドライバーの苦労が偲ばれました.下るほど紅葉も鮮やかになり,道を横切るサルが現われたりして野趣満点.

やがて道は安房トンネルから出た新道と合流し,梓湖方面へ下ります.次はここから乗鞍高原経由白樺峠を目指しますが,R158から乗鞍方面へは右折禁止なので,前川渡の交差点を行き過ぎ,トンネルの先に用意されたUターン指定場所で方向転換し,再び前川渡まで戻って左折.K84で乗鞍高原へ向います.

冠雪した北アルプスを見た信州ツアー 1日目後半 【槍・穂高展望】

新穂高温泉に来るのは私も妻も2度目です.ただしそれぞれ別に来ていて,妻は遙か昔,ここからロープウェイで西穂高口まで上がり,そこから西穂山荘に一泊して上高地まで歩いたことがあるらしい.私は20年ほど前,職場の親睦旅行で来ました.2人とも天候には恵まれておらず,ガスで何も見えなかったのは同じです.今回は望みうるほぼ最高の快晴だったので,リベンジが成りました.

第1ロープウェイを降りた鍋平-しらかば平では紅葉が盛りでした.第2ロープウェイに乗り継ぐと急激に高度を上げ,やがてやや色褪せてきたダケカンバの紅葉の向こうに槍・穂高の稜線が見えてきて,乗客から歓声が上がりました.

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山頂展望台からは,目の前に西穂高岳が大きくそびえ,左手にキレットを経て槍ヶ岳への稜線が延びているのがすべて確認できました.私はもしかしたらこのあたりの稜線を生まれて初めて肉眼で見たかもしれません.私は南アルプスの山々にはかなり登っていますが北はまったく未知で,まさにアルプスと呼ぶに相応しい険しさが素晴らしいですね.

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やや遠くなりますが双六岳のカールや笠ヶ岳といった名峰もよく見えています.また,ここからは南にあって逆光になるのでディテールは見にくいですが焼岳もしっかり確認できました.

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展望台から降りて園地を歩いてみると,数日前に降ったと思われる雪がまだ残っていました.冬はもうすぐそこです.針葉樹を窓枠に,展望台から見るよりさらに高度を増したように感じる西穂高岳をもう一度眺め,夕刻の迫る新穂高温泉へ下りました.

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最悪想定する傾向はあるでしょうね.でも石橋叩いているだけの人生はつまらない.

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